歩行時の親指付け根底面の痛みを軽減するための内部調整

CRADLEさん、こんにちは。修理のご相談です。こちらの靴ですが、歩いていると足の指の裏が痛くなってきます。クッションを入れて緩和できないかと考えています。よろしくお願いいたします。

ユーザー様こんにちは。かしこまりました、元のクッションの厚みや、どんな素材を手配できるか詳細を確認させてください。よろしくお願いいたします。
■ ご相談内容
今回お持ち込みいただいたのは、ブラックの婦人靴。
見た目はまだまだきれいな状態ですが、
「履いて歩いているうちに親指の付け根あたりが痛くなる」とのご相談をいただきました。



靴の中を確認すると、革の中敷きの下に薄いクッション材が敷かれていました。
しかし、経年によりクッション材が劣化し、
弾力がほとんど失われている状態でした。
■ 原因の確認
歩行時に足裏へかかる衝撃を吸収するクッションが劣化すると、
特に「親指の付け根(母趾球)」や「中足骨頭部」に負担が集中します。
お客様のお話では、
「最初のうちはもう少し柔らかく感じていた」とのこと。
素材の経年変化によるヘタりが主な原因でした。
■ 修理内容:クッション材の入れ替え
劣化したクッションを丁寧に除去します。
マイナスドライバーでこそげ落とすようにして、
中底を傷つけないよう慎重に作業しました。

■ 使用素材:セルラーラバー(2mm厚)

今回使用したのは、セルラーラバー(2mm厚)。
以下の素材を使用しています。
この素材は細かい独立気泡構造を持ち、
足裏を包み込むような柔らかさと、優れた除圧性が特徴です。
長時間の歩行でも底突き感が少なく、
痛みの軽減や疲労の緩和に効果的です。
■ 装着・仕上げ
セルラーラバーを中敷きの形状に合わせてカットし、
元の中底にしっかりと密着するように貼り込みました。
上からオリジナルの革中敷きを戻して、作業完了です。

■ 修理後の状態
柔らかな踏み心地が戻り、
足裏全体に均一に荷重がかかるよう調整されました。
修理前からセルラーラバーの柔らかさを確認いただいておりましたが(素足で上に立ってもらう)、問題は一定時間の歩行の際にどうかなので、少しでも良くなっていると嬉しいです。
■ 今回の修理費用と納期
- クッション交換(セルラーラバー 2mm厚):2200円(税込)〜
- 修理期間:当日〜翌日仕上げ(混雑状況により変動)
■ まとめ
靴の見た目はきれいでも、
内部のクッション材は経年で劣化しやすい部分です。
「歩くと足裏が痛い」「昔より固く感じる」などの症状があれば、
中敷きのクッション交換で改善できる場合があります。
履き心地のリフレッシュにもおすすめです。
お気軽にご相談ください。








