パッカーン
と靴も私も持ち主様も、あいた口がふさがりません。
ダークブラウンのスエードを使用したサイドゴアブーツ。
たくさん履いていただいたためソールがはがれて、かかとも削れてはいけない土台まで摩耗しています。
ネイビーのゴムパネルが良く映えてオリジナリティーある一足ですが、お手持ちのお靴がこのようになったらびっくりしますね。
今回のミッション
〇開いたソールを今後開かないようにしっかりと固定
〇摩耗したソールの補強とかかとの修理
〇今後修理の可能性がある甲革、ゴムパネル、内張の予算も考える
靴底の全体交換をするべきかご質問いただきましたが
納期とご予算、靴の状態を見て部分修理を選択しました。
※靴底周りにウェルト(イミテーション)というパーツがあります。
ウェルトがあまり傷んでなかったので、靴底は部分修理にして甲革、ゴムパネルや内張を修理する時に必要な予算にまわすことに。
かかとは減りが激しいのでブロックヒールを使用します。
ブロックヒールとはかかとの土台と交換用パーツの区別がついてないヒールのことです。
今回のように激しく減ったかかとを修理する際に、コストを抑えることができます。
靴底用のモンスターミシン、高さ160センチあります。
珍しいミシンですが、自前で所有しているため【迅速にしっかりと】修理ができます。
はがれてしまったソールはボンドでしっかり固定した後、ソール補強の下準備をしてから縫いをかけます。
その後ラバーを張るお決まりの流れです。
仕上がり
側面を整えて、着色。
補強したソールははがれやすいつま先とフマズに真鍮釘をあしらいます。
装飾を兼ねた、念押しの補強です。
これで靴底はばっちりなので今後必要な修理ポイントを見極めて、次回以降の予算を組み、
この靴とどこまで付き合っていくか一緒に考えられたら、修理屋冥利に尽きます。
今回の修理
ブロックかかと修理 3300円
ハーフソール補強 2750円
底縫い 1100円
合計7150円
ご縁をいただきありがとうございました。
CRADLE 芝