初めまして。ご相談ですが、こちらのブーツのソールが割れてしまいました。何とかなるものでしょうか?値段帯なども全くわかりませんので教えていただきたいです。
ユーザー様こんにちは。ウレタンソールの劣化に関しては、ソール全体を取り換える必要があります。値段帯は15000円前後と言った具合で、修理のなかでも比較的高価格帯になります。
修理範囲も広いので素材選択など気を付けないと、履き心地が大きく変わってしまい履かなくなる可能性もございます。
修理で優先するポイント
●ソールの厚みや構成は元に合わせて同じ
●軽さと頑丈さを両立させる
●滑りにくいようにする
●コストも配慮する
ユーザー様とたくさんお話しました。修理でご用意できる素材の特徴の説明と素材ごとの比較。諸々お話していると上記の4点に集約されました。
使用する素材
以下7点です。それぞれがご要望にお応えするための特徴を備えています。
イタリアLQレザーウェルト
こちらは甲革とソールのすき間を埋めるパーツです。ソールの出幅を決めるパーツにもなりますので規格は元を参考にしています。革のウェルトは仕上がりに高級感を与えます。
ビブラム ラバーミッドソール
こちらは長期使用において、簡単にソールが剥がれないように靴の内部と縫い付ける、いわば土台になるソールです。しっかりとしたラバーを選びますが、重くならないように最低限の3mm厚を使います。
EVAシート
アウトソール(接地するソール)はEVA(スポンジ)で軽量化を目指します。厚みは元と同一になるよう6mmです。コスト減も兼ねた素材選択です。
ビブラム 2027 SIMONソール 2.0mm
EVAシートは軽く柔らかいですが、耐摩耗性とグリップが低いのが難点。こちらの薄いラバーで補います。
レザーヒールベース
カカトの土台です。革はクギやビスとの相性が良く、しっかりと固定するために必要です。特にカカトが高い今回のソールでは強度が重要です。
TOPY セロライト40 スポンジシート
こちらをカカトの土台のレザーベースの間にサンドしていきます。すべてを革で仕上げると、しっかりとしますが、重さが出ます。軽く柔らかいこの子を挟むことで、軽量化とコスト減を獲得します。
VIBRAMリフト 5350
カカトの接地パーツです。グリップト耐久性があります。
材料を組んだ画
一通り材料を組んで、面仕上げまで済んだところです。ここからクロに着色します。
アレンジを加えたい場合は着色料を変えてあげることも可能です。
シマ模様がハチのおしりのようで可愛いです。シマを活かした着色も面白いですね。
茶・濃茶・生成りなどお好みでどうぞ!
今回はクロです。
After
いかがでしょうか?
革は高級感と固定に対する強度を
ラバーはグリップと耐摩耗性を
スポンジは柔らかさと軽量化そしてコスト減を
それぞれが一体となってユーザー様のご希望にこたえます。
素材には特徴があり、価格があります。高いからご希望に沿うかと言えばノーです。
こんな一体成型の厚いソールを、疑いなくラバーと革で組み立てると、かなり硬く重い靴になってしまいます。
組み合わせや使い方、加工の仕方が重要です。
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