【BEAMS】靴修理 タッセルローファーのカカト修理●修理に向かない素材とは?●

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いつもCRADLEをご利用いただきありがとうございます。本日はBEAMSのタッセルローファーのカカト修理のご案内です。おしゃれや服に興味関心が高いビームスユーザー様にも、ご一読いただければ幸いです。


“お気に入りに手を加える”という選択 ー 流行だけにとらわれないライフスタイルへ

BEAMS(ビームス)の靴といえば、有名シューメイカーとのダブルネームが有名。
上質な素材選びと洗練されたデザインで、ファッションにこだわりのある方々に愛される存在。
今回お預かりしたのは、BEAMSオリジナルのタッセルローファーです。

シンプルながら華のあるデザインは、スーツにもデニムにも映える万能選手。
まさに「大人の余裕」を感じさせる一足です。


■ 修理内容:ヒール(カカト)修理

今回の修理はカカト部分の補修を中心に行いました。
もともとのソール素材は塩化ビニール(PVC)製。耐久性とコスト面に優れた素材ですが、
接着剤との相性があまり良くなく、また釘も効かないため、剥がれのリスクを伴います。

今回はご予算の関係もあり、リスクにご理解をいただき、修理を進めました。

修理前

修理後


■ リスクをさけ、長く履きたい場合 に オールソール交換という提案

修理に適さない素材とは

ビフォーアフターでもご案内した塩化ビニールのソールです。土台整形の際に削ると、溶けてしまいます。接着剤も弾いてしまいます。

下地処理をして接着可能にしますが、革やゴムと比べると不安が残ります。

ヤスリの粒度を変えてできる限り整えました。中は空洞になっており、接着面積が少ないです。また素材に釘を固定するだけの硬さがなく、釘による追加固定もできません。やはり不安が残ります。

この靴を大切に履き続けたい方には、
**オールソール交換(ソール全体の張り替え)**もおすすめです。

ソール素材を**レザーやラバー(Vibramなど)**に変更し、
構造を「セメンテッド製法」から「マッケイ製法」にすることで、使用中にトラブルが少ない仕様に変更することも可能です。

販売されている物をただ使うだけでなく、自分好みに手を加える。
そんなスタイル、素敵ではありませんか?

■ 自分流にアップデートする

BEAMSの靴は、デザインの完成度が高い。
ただ今回の靴の様に、長期使用に向いていない素材選択をされているものもあります。

しかしそれを【自分流に】手を加えることも、オシャレの楽しみ方の一つです。

既製品に「自分流」を加えることで、
“他の誰とも違う一足”に仕上がっていく。

それは、ただ流行を追うのではなく、
自分の感性で完成させるファッション。
そんな姿勢こそが、BEAMSスタイルの本質ではないでしょうか。


■ 手を加えることで生まれる、愛着という価値

修理やカスタムの良さは、単なる「延命」ではありません。
手を加えるたびに、靴が自分の足に、生活に、感性に馴染んでいく。
その過程そのものが“ファッション”なのです。

新品の輝きよりも、
手をかけて育てた美しさを楽しむ。

それが、大人のおしゃれ心をくすぐる最高の贅沢です。

■ 修理概要

項目内容
修理内容カカト修理
ソール素材塩化ビニール(PVC)
特徴軽量だが接着相性に注意。剥がれリスクあり
リスク回避の提案オールソール交換(レザー/ラバー仕様)、製法変更可
対象靴BEAMS タッセルローファー

価格と納期

●カカト交換:2530円
納期:翌日~


■ まとめ

靴は共に時間を重ねるパートナーです。
BEAMSのような上質な靴だからこそ、
小さな修理を重ねていくことで、より深い魅力が生まれます。

“使って捨てる”から“手を加えて育てる”へ。
それがCRADLEが提案する、新しいファッションの楽しみ方です。