穴のあいた靴、捨てますか?


靴底に穴があき、甲革も汚れてもう無理かな?
と、ここまで履いたら捨てる人も多いんではないでしょうか。
こちらの靴はREGALの「マッケイ製法」の靴で、おそらく価格的には2万円半ばくらいかと思います。
修理にいくらかけるかは人によりますが、もうだめかなと思っても、もう少しと思うお気持ちは理解できます。
これくらいの穴があくと、ハーフソールのような部分修理より靴底自体を作りなおすオールソールがおすすめ。
今回の靴はソールを先に仕上げてから取り付けるタイプで、サイズを合わせるのに多少コツがいります。
先にソール成形
使用する材料は

フランスの靴修理材料メーカー【TOPY】の無地ラバーソール
ビブラムのソールをご希望されたのですが、ソールの形状の都合で採用できませんでした。
模様や柄の入ったソールは細長い形状の靴の場合、柄が靴の幅に収まりきらず、きれいに仕上げることができないのです。
元のソールからトレースし靴底を成形します。

側面の着色、バフ掛けも済ませます。

ちなみにかかとは画像のような革の積み上げを使ってます。
接地面は耐久性とグリップが必要なのでゴムを使用、今回は10mmのゴムと約12mmの革積み上げです。
かかとの高さは基本的に元のソールに合わせます。
次回からはかかとのコム部分10mmが削りきれる手前でお持ち込みください。
ついでに汚れ落とし、クリームを使ったお手入もやっておく。

甲革のかかと内側付近についている黒い汚れはソールのゴムが擦れてついたものなので
強めのクリーナーで取れますよ。
今回はサフィールの「レノマットリムーバー」100ml 1980円税込を使いました。
店頭にて販売してますのでご興味のある方はお問い合わせください。
汚れがよく取れます。

すっきりしました。
仕上がり


ソールを本体にボンドで仮止めしたあと、フマズまでミシンで縫いをかけ、ヒールは中底側から(内側)からくぎ固定して完成です。
甲革に目立ったクラック(ヒビ割れ)もないですし、まだ十分活躍できます!
もう無理かな、お別れかな、と思う履きなれた靴はありませんか?
お気に入りの靴はないですか?
使い切れましたか?
もしお困りごとがあればお気軽にご相談ください、お待ちしております!
今回の修理 靴底全体交換 13200円税込
CRADLE芝