軽くてスマート!「セメント製法」の靴とは?その特徴と魅力を解説
靴の“作り方”にもいろいろある?
革靴やスニーカー、ビジネスシューズを選ぶとき、「デザイン」や「履き心地」はもちろん重要ですが、
実は見えないところでその靴の快適性や耐久性を左右しているのが**“製法”**です。
今回は、特に軽量でスマートな靴に多く使われる「セメント製法」についてご紹介します。
セメント製法とは?
セメント製法(Cemented Construction)とは、靴のアッパー(甲革)とソール(靴底)を接着剤で貼り合わせて固定する製法です。
縫い合わせる工程がないため、非常にシンプルかつスピーディに作ることができます。
スニーカーやカジュアルシューズ、リーズナブルなビジネスシューズなど、幅広いジャンルの靴に採用されています。
セメント製法のメリット
✅ 1. 軽くて柔らかい履き心地
底付けに厚みや縫い目がないため、足裏に伝わる感覚が柔らかく、歩きやすいのが特長。
特に長時間歩くシーンや立ち仕事の方に人気です。
✅ 2. スマートな見た目
縫い目やコバが張り出さない分、すっきりとしたシャープな印象に仕上がります。
細身のパンツやモードなスタイルにも相性抜群です。
✅ 3. 価格が手頃
製造工程が少なく、大量生産にも向いているため、比較的安価で高品質な靴を提供可能。
入門用や買い替えが多いビジネスシューズにもよく採用されています。
セメント製法のデメリット
⚠️ ソール交換が難しい
グッドイヤーウェルト製法やマッケイ製法と違い、接着剤ではがれた場合は基本的に「再接着」か「買い替え」になります。
そのため、長年の修理を前提とした靴には向きません。
※革靴においてはマッケイ製法に変更してソール交換をすることが多い。スニーカーは一部可能なものもある。
⚠️ 高温や湿気にやや弱い
接着剤を使用しているため、高温多湿な環境での劣化(加水分解)や接着面のはがれが起こることがあります。
長期間履かない場合も、風通しのよい場所で保管することが大切です。
セメント製法はこんな人におすすめ!
- 毎日ガンガン履きたいビジネスシューズを探している方
- 軽くて歩きやすい革靴やスニーカーがほしい方
- スマートな見た目を重視する方
- 予算を抑えたい方
まとめ:手軽さと軽快さが魅力のセメント製法
セメント製法は、「軽さ」「歩きやすさ」「スマートさ」に優れた靴作りの手法です。
耐久性や修理性はやや劣るものの、日常使いの快適さやコストパフォーマンスには非常に優れています。
「履きつぶす前提」でガシガシ使いたい方には、まさにぴったりの選択肢といえるでしょう。
※当店では、セメント製法の靴でもパーツ補修・インソール交換などの対応が可能です。お気に入りの靴を少しでも長く履きたい方は、ぜひ一度ご相談ください。