油性ワックス

足元に極上のツヤを。油性ワックスで仕上げる革靴ケアの極意

油性ワックスとは?

油性ワックス」は、革靴の表面に強いツヤと保護膜を与えるための靴用ケア製品です。
主成分はロウ(ワックス)・油分・溶剤で、革の表面に美しい光沢(鏡面仕上げ)を作り出すために使用されます。

乳化性クリームが革に「栄養を与える保湿剤」だとすれば、
油性ワックスは“化粧品のファンデーションやトップコート”のような存在です。


油性ワックスの主な効果

✅ 1. 鏡のような強い光沢(ハイシャイン)

つま先やかかとに何層も重ねて磨くことで、鏡のような仕上がりが可能です。
ドレスシューズやビジネス用のプレーントゥ、ストレートチップなどに最適。


✅ 2. 表面を保護する

ワックスが乾燥して形成する膜により、軽い雨やホコリ、キズから革表面を守る効果があります。


✅ 3. 美観の補正

スレ傷や色ムラを目立たなくさせ、均一な見た目に整えることができます。


使用に向いている部位

  • 基本はつま先(トウ)と、かかと(ヒール)部分に使用します。
  • 履きジワが入る甲の部分には使用しないのが一般的です(割れやすくなるため)。

油性ワックスの使い方(ハイシャインの基本手順)

  1. 靴全体をブラッシングしてホコリを落とす
  2. 乳化性クリームで保革・下地づくりを行う
  3. 乾いたクロスにワックスを少量取り、円を描くように薄く塗布
  4. ワックスが乾いたら、水を少量つけたクロスで優しく磨く
  5. この工程を3〜5回ほど繰り返すと、ツヤが増して鏡面仕上げに

※慣れるまで少しコツが要りますが、「薄く、回数を重ねて」が基本ルールです。


ワックス選びのポイント

項目内容
靴の色に合わせて選ぶ(または無色のニュートラル)
ロウの配合量ツヤの強さや乾きやすさに影響(仕上がりの好みで選択)
香り・伸び好みや使いやすさで選ぶ(例:サフィール、コロニル、モゥブレィなど)

注意点・デメリット

  • 革に栄養は与えません(乳化性クリームとの併用が基本)
  • 履きジワ部分に使用すると割れやすくなります
  • 過剰な使用はワックスが厚くなり、割れ・白化・剥離の原因

「装飾用」「見た目重視」の仕上げ材として位置づけましょう。


乳化性クリームとの違い

比較項目乳化性クリーム油性ワックス
主な目的栄養・保湿・ツヤ出し光沢仕上げ・保護
ツヤの強さ自然なツヤ強い鏡面のツヤ
使用範囲靴全体つま先・かかと
保革効果ありなし
使用頻度月1~2回必要に応じて(イベント前など)

まとめ:ワックスで“魅せる”仕上げを

油性ワックスは、革靴に圧倒的な高級感とツヤを与えるための仕上げ道具。
ビジネスやフォーマルシーンで第一印象を格上げしたいとき、ひと手間かけたワックス仕上げが大きな差を生みます。

「見せる革靴」を目指すなら、油性ワックスの使いこなしは必須。
一手間で、足元が語り出す――それがハイシャインの魅力です。


※当店では、ワックス仕上げ代行やハイシャインサービスも承っております。初心者の方には、使い方の実演サポートも行っておりますので、お気軽にお声がけください。