
CRADLEさん、はじめまして。ご相談ですが、こちらの靴のヒールアップは可能でしょうか。今のままでも気に入っているのですが、もう少しスタイリッシュに見せれたらと考えています。よろしくお願いいたします。

ユーザー様、はじめまして。ヒールアップ可能ですよ。注意点もございますので、ご案内いたします。

今回は、junhashimoto(ジュンハシモト)のダブルモンクストラップシューズをお預かりしました。
ご依頼いただいたのは、靴の修理というよりも**「ヒールアップ」**のカスタムです。
「今のデザインは気に入っているけれど、もう少しカカトを高くしたい」
「履いたときに少し身長を高く見せたい」
そんなご要望に合わせて、今回は靴のカカトを約1.5cm高く仕上げました。
ヒールアップは見た目の変化が分かりやすいカスタムですが、単純に「高ければ高いほど良い」というものではありません。
スタイルアップという視覚的なメリットがある一方で、靴の履き心地にも変化が出ます。
今回はその点も含めてご紹介します。
修理前|もともとは通常高ですっきりとしたヒール

こちらがヒールアップ前の状態です。
ブラックのダブルモンクストラップで、全体的にシャープですっきりとしたシルエット。
元のヒールも靴全体のバランスに合わせた高さになっていますが、今回はお客様のご希望に合わせて、ここから高さをプラスしていきます。
今回は約1.5cmヒールアップ


今回使用する材料は、
- 革製ヒールベース 4.5mm × 2枚
- ゴム製トップリフト 6mm × 1枚
です。
単純計算では、
4.5mm+4.5mm+6mm=15mm
となり、約1.5cm高さを追加します。
今回は現在付いているトップリフトを取り外さず、その下に材料を追加する方法で施工しました。
革を2枚積んでからゴム製トップリフトを取り付けます


ヒールアップで大切にしたいのが、横から見たときの仕上がりです。
高さだけを出すのであれば、厚いゴムを取り付ける方法もあります。
ただ、革靴のヒール部分がすべて厚いゴムになると、靴によっては少し重たく、野暮ったい印象になることがあります。
そこで今回は、革のヒールベースを2枚積み、その下にゴム製トップリフトを取り付ける仕様にしました。
革を間に入れることで、一般的な革靴の積み上げヒールに近い自然な見た目を作りながら、高さを確保できます。
After|約1.5cm高くなりました

完成です。
横から見ると、施工前よりもヒールにしっかりと高さが出ているのが分かります。
今回のようなダブルモンクストラップは、ドレスシューズらしいシャープなデザインです。
そのため、ヒールを高くする場合も単に材料を足すのではなく、靴全体を横から見たときのバランスを崩さないことが重要になります。
約1.5cmのヒールアップですが、履いた状態では数字以上に印象が変わります。
ヒールアップにはどんな視覚的効果がある?
ヒールを高くする最大の目的は、やはりスタイルアップ効果です。
靴の中に厚いインソールを入れる方法とは違い、外側のヒールそのものを高くするため、靴の内部空間を狭くせずに高さを出せるのも特徴です。
約1~1.5cmというと、それほど大きな数字には感じないかもしれません。
しかし、実際に立った状態では身長にそのまま高さが加わるだけでなく、足元の位置が上がることで、パンツを履いたときの全体のシルエットにも変化が出ます。
特に細身のパンツやスラックスなどでは、少しヒールを高くすることで脚をすっきり長く見せやすくなります。
ただし、ここには大切な注意点があります。
注意|ヒールを高くすると前滑りしやすくなります
ヒールアップをご検討されている方に、CRADLEでは必ずお伝えしたいことがあります。
ヒールを高くすると、靴の中で足が前へ滑りやすくなります。
これはヒールアップの構造上、避けられない部分です。
カカトが高くなれば、その分だけ靴全体の傾斜が強くなります。
すると体重が前方へ移動しやすくなり、つま先側に負担がかかりやすくなります。
特に注意したいのが、
紐で甲をしっかり固定できない靴です。
今回のダブルモンクストラップもバックルで甲を固定できますが、一般的な紐靴ほど細かなフィッティング調整はできません。
ローファーやスリッポンなど、甲を締めて固定することが難しいデザインでは、さらに履き心地の変化を感じやすくなる場合があります。
そのため、
「もっと高くできるなら、できるだけ高くしたい」
という考え方はあまりおすすめしていません。
ヒールアップは、見た目の変化と履き心地のバランスを考えて高さを決めることが大切です。
費用を抑えるならゴムだけでヒールアップする方法も
今回は、
革製ヒールベース2枚+ゴム製トップリフト
という仕様にしましたが、もう少し費用を抑える方法もあります。
ゴム製トップリフトのみを使用して高さを出す方法です。
構造をシンプルにできるため費用を抑えられます。
ただし、横から見たときにゴム部分の割合が大きくなるため、革を積み上げる今回の仕様と比較すると、ややカジュアルで野暮ったい印象になることがあります。
ドレスシューズの場合は、価格だけではなく完成後の見た目も含めて仕様を選んでいただくのがおすすめです。
今回のヒールアップ|料金・納期
junhashimoto ダブルモンクストラップ
革製ヒールベース 4.5mm・2枚積み
3,300円
ゴム製トップリフト 6mm
2,530円
合計:5,830円
ヒールアップ量:約1.5cm
納期:約1週間
革靴のヒールアップは「高さ」と「履き心地」のバランスが大切です
ヒールアップは、靴そのものを買い替えることなく、履いたときの身長や全身のシルエットを変えられるカスタムです。
一方で、靴は本来、元のヒール高さを前提として木型や底面のバランスが設計されています。
そのため、高さを変更すれば必ず何らかの変化が生じます。
特に重要なのが、
「高くできるか」だけではなく、「その高さで快適に履けるか」
という点です。
CRADLEでは、ご希望の高さだけでなく、靴のデザインや構造、ヒールアップ後の見た目なども確認しながら施工方法をご提案いたします。
ダブルモンクストラップ、ストレートチップ、プレーントゥなどの革靴はもちろん、その他の靴についてもヒールアップのご相談を承っております。
店頭へのお持ち込みのほか、全国からの郵送修理にも対応しております。
「あと1cmくらい高くしたい」
「できるだけ自然な見た目でヒールアップしたい」
といったご希望がございましたら、お気軽にCRADLEまでご相談ください。
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