【ティンバーランド】再剥離を防ぐ、CRADLE流オールソール交換●改善、見た目も機能もしっかりと●

ユーザー様
ユーザー様

CRADLEさん、初めまして。ティンバーランドのソールが剥がれており困っています。以前に修理屋さんで直してもらったあとも度々剥がれてしまい、その都度接着してもらっています。根本的に剥がれないようにできないものでしょうか?修理してもらっても、すぐ剥がれるようであれば買い替え他方がいいか迷っています。宜しくお願い致します。

CRADLE
CRADLE

ユーザー様初めまして。ティンバーランドのオールソール交換についてお問合せいただき誠にありがとうございます。剥がれないようにと言う事ですが、修理する際に使用する①ウェルト②ミッドソール③アウトソールのパーツを全てボンドだけでなくミシンで縫いあげてしまえばほぼほぼ剥がれる心配はございません。ただこちらの仕様はソールの出幅がオリジナルよりやや大きく全体にボリューム感が増します。そこまでしなくても①②をミシンで固定、③は②と圧着で安心してお履きいただけると思います。好みや予算をより詳細にお伺いさせてください。宜しくお願い致します。


〜PVCミッドソールの弱点を克服〜

ティンバーランドの定番6インチブーツ。
ワークブーツの代名詞として多くの方に愛される一方、ソール剥離トラブルでお悩みの方も少なくありません。

今回お預かりしたのは、過去に一度オールソール交換を経験されているお客様のブーツ
前回のオールソール交換後もたびたびソールの剥離が起こり、
「何とかならないか」とのご相談をいただきました。


■ 修理前の状態

ソールの側面から大きく剥離が進行しており、接着面が浮き上がっている状態。
一見、アウトソールだけの問題のように見えますが、原因はその内側=ミッドソール素材にもありました。

ティンバーランドの純正ミッドソールは、塩化ビニール(PVC)製
この素材は軽くて成型しやすい反面、ゴム系接着剤との相性が悪く、長期使用では接着面が硬化・剥離しやすいという弱点があります。

前任の修理店様も最善の作業を施されていましたが、
素材特性ゆえに再剥離のリスクが残っていたのです。


■ CRADLEの修理方針

CRADLEでは、単にアウトソールを張り替えるのではなく、
**「ミッドソールからの再構築」**をご提案しました。

改善ポイント:

  1. ミッドソールをPVCからラバー製へ変更
     → ゴム系接着剤との相性が良く、弾力性と追従性に優れます。
  2. ミッドソールを中底と縫い合わせ固定
     → 貼り合わせのみではなく、構造的に一体化させることで接着強度を根本から改善。
  3. アウトソールにはVibram製ソールを採用
     → ティンバーランドの雰囲気を損なわず、グリップ・耐摩耗性も向上。

■ 修理工程の一部紹介

📸 ミッドソール剥がし・中底確認
長期の使用により、中底が脆弱になっており、穴があいてしまいました。薄い床革で補強します。

📸 ラバー製ミッドソールへの交換
中底に直接ステッチをかけ、確実な固定を実現。
これにより、剥離しやすい構造から“縫って支える構造”へと進化。

📸 Vibramアウトソール取り付け
グリップ力の高い配合ゴムを使用し、
ティンバーランドらしいボリューム感と安定感をキープ。


■ After:安心して履ける一足に

新しいミッドソール・アウトソールにより、接着面の信頼性は飛躍的に向上しました。

外観は純正の雰囲気を保ちつつ、内部は長く履ける実用仕様へ。


■ 修理概要

項目内容
修理内容オールソール交換(ミッドソール・ウェルト含む)
ミッドソールラバー製(中底縫い付け固定)
アウトソールVibramソール#1136
目的再剥離防止・接着強度アップ

価格と納期

●ビブラム#1136:13200円
●マッケイ式ウェルト:2200円
●ミッドソール:2750円
●中底補強:2200円
●靴ヒモ交換:880円
納期:約3週間

🧰 職人メモ

ティンバーランドのソール取付はシンプルですが、長期使用に見合ったものにするには構造の変更が必要です。
「接着剤で貼るだけ」ではなく、素材の相性と構造の両立が長持ち修理のカギ。
CRADLEでは、靴の状態・素材・経年変化を見極めたうえで、
最も適した修理方法をご提案しています。


ソール剥離のストレスから解放され、
再び安心して街やフィールドを歩けるティンバーランドへ。