【SANDERS】靴の聖地、英国ノーザンプトンから届くレザーシューズブランド。高温のアスファルトに要注意、真夏の接着不良対策!

サンダースの靴は、イギリス国防省をはじめセキュリティー用シューズとして世界30以上の国と地域に供給されています。イギリス国防省で採用されている革靴のほとんどはサンダース製で、ファクトリーの約50%をその製造ラインとして割当てています。官公品の圧倒的な物量に対応できるレベルの生産ラインと安定した材料の仕入れにより、他の高級ブランドと遜色ない素材や製法にこだわりつつリーズナブルな価格で展開できているのです。

本日はそんなサンダースのスエードタッセルローファーに問題が…。
※ちなみにこちらのモデルは定番商品として記載されておりませんでしたので、セキュリティー用ではなくファッションアイテムとしての製品かと思われます。

カカトにすき間ができてハガレかけ、ユーザー様ご自身でボンドで対応されたようですが、うまく接着することができませんでした。

外れないようにしてほしい。

クレープソールは柔らかくひずみが大きいためはがれやすく、釘がきかないのでボンドの接着力のみに固定を頼ってしまいます。これでは「外れないように」はできません。ご要望に対して素材や固定の仕方を見極め判断する必要があります。

素材を変えてみませんか?

カカトの土台に革を使って、接着剤だけでなくクギを使って固定ができるように仕様変更をご提案。

靴底に使われる素材はそれぞれ特徴がありメリットもあればデメリットもあります。
お客様がより重要であると考えるポイントはどこか?
おはなししながら整理をつけていきます。

After

靴底最上部のウェルトが革なのでカカトのベースに革を持ってきても違和感はないと判断しました。
カカトのトップピース(交換用パーツ)は生成色に合わせたベージュを選択。

靴の内側から土台に持ってきた革に釘を打ち込みます。
革の繊維は縦横無尽に走っており、しっかりとくぎに絡みます。
釘も通常の釘とは違うミゾの入ったスクリュータイプを使うことで固定力が増します。

当初はオールソール(靴底全体交換)もご検討されてましたが、必要最低限の範囲でリニューアルさせていただきました。

今回の修理

カカトのリニューアル:4400円