こがし加工

革に深みと表情を与える「こがし加工」とは?


〜一点ものの風合いを楽しむ革の魅力〜

革靴や革財布を見ていて、「この革、なんだか立体的で奥行きのある色だな」と思ったことはありませんか?
それ、もしかしたら**「こがし加工(焦がし加工)」**が施された革かもしれません。

今回は、革の仕上げ技法のひとつ「こがし加工」について、その特徴や魅力、活かし方まで詳しくご紹介します。


■ こがし加工(焦がし加工)とは?

こがし加工とは、革の表面に部分的に色を重ねたり、焼き加工や染料で濃淡をつけることで立体感や風合いを出す技法のことです。

職人の手作業によって、革の表面をあえて「ムラ」や「陰影」を出すように仕上げるのが特徴。
「アンティーク仕上げ」や「パティーヌ加工」とも似た風合いになります。


■ どんなふうに見えるの?

こがし加工された革は、次のような見た目の特徴があります:

  • 外側に向かって濃くなるグラデーション
  • つま先やカカトなど、部分的に焦げたような濃い色
  • ムラ感のあるヴィンテージ風の仕上がり
  • 一点一点異なる個性豊かな表情

■ どんな方法で加工されているの?

こがし加工にはいくつかの技法があります:

1. 手染めで色を重ねる

布やスポンジで染料やワックスを塗り、濃淡をつけていく方法。時間をかけて丁寧に色を重ねます。

2. 熱で焦がす

焼きごてや熱した道具で革表面を焦がすように変色させる技法。表面が焼けて色が濃くなることで陰影が生まれます。

3. 色付きワックスやクリームで陰影を出す

色付きの靴クリームなどで、つま先やカカトを中心に色を乗せる方法。靴磨きの応用でもできます。


■ どんな製品に使われるの?

  • 革靴(ドレスシューズ、アンティーク調の靴)
  • 財布・バッグ・ベルト
  • 革小物(名刺入れ・手帳カバーなど)

職人仕上げの靴では、特に「こがし仕上げ」は高級感の演出に使われることが多く、
トゥ(つま先)やヒール(かかと)に陰影があることで、全体がグッと引き締まって見えます。


■ こがし加工の魅力

魅力内容
表情豊か同じ製品でも一つひとつ違う仕上がり。個性を楽しめる。
高級感奥行きのある色味で、革の質感が際立つ。
経年変化が美しい焦がし部分が徐々に馴染み、自分だけの風合いに育つ。
修理・再加工もしやすい靴磨きや色補修で味わいをキープしやすい。

■ お手入れのポイント

  • 無色のクリームを中心に使用(色が乗りすぎると焦がしの陰影が消えることも)
  • 柔らかい布で優しく磨く
  • 過度なオイルや防水スプレーは避ける

焦がしの風合いを活かすには、丁寧なブラッシングと適度な保湿が大切です。


■ まとめ:こがし加工で「唯一無二」の革の魅力を楽しもう

こがし加工は、革に「深み」「個性」「クラフト感」を与える伝統的かつアーティスティックな技法。
まるで絵画のように、一点一点異なる表情が味わえるのが最大の魅力です。

こがし加工の靴や革製品は、**「革を育てる楽しみ」や「経年変化を味わう喜び」**を感じられるアイテムとしておすすめです。