タックス(Tacks)とは?靴作りと修理に欠かせない小さな金具
革靴の製造や修理の現場でよく使われる「タックス(tacks)」は、小さな釘のような金具を指します。目立たない部品ですが、靴の強度や耐久性を支えるうえで非常に重要な役割を担っています。ここではタックスの特徴や用途をわかりやすく解説します。
■ タックスの定義
タックスとは、靴作りや修理に用いられる「小さな釘状の金具」の総称です。
木釘や鋼製のピン、真鍮製の釘などがあり、靴底やヒール、芯材の固定など多様な用途に使われます。
■ 主な用途
- 中底と本底の固定
製甲したアッパーを木型に吊り込み、中底にしっかり固定する際に使われます。特にグッドイヤーウェルト製法などでは、吊り込み時に仮止めとして打ち込むことが多いです。 - カウンター(かかと芯)の固定
かかとの芯材をアッパーに密着させる際、接着だけでは不十分な場合にタックスで補強します。 - ヒールの取り付け
ヒールリフト(積み上げ)やトップリフトを取り付ける際、釘としてのタックスが欠かせません。 - 補強材の固定
腰革や先芯などの補強材を正しい位置に安定させるために使用されます。
■ タックスの種類
- 鉄製タックス:強度が高く、特にヒール固定に多用されます。
- 真鍮タックス:耐腐食性に優れ、装飾用の底打ちにも使用。
- 木釘(ペグ):一部の伝統的な製法で使われる、環境にやさしい素材。
■ タックスの特徴と役割
- 強度の確保:接着だけに頼らず、機械的にパーツを固定することで靴の寿命を延ばします。
- 修理性の向上:ソール交換時にタックスが打たれていると、剥がれやすく修理作業が効率的。
- 伝統と実用:靴作りの歴史の中で、タックスは最も古くから使われてきた部品のひとつです。
■ まとめ
タックスは、靴の内部に隠れて目立たない存在ですが、靴の構造を支える「縁の下の力持ち」です。
かかとの安定感やソールの耐久性は、こうした小さな金具によって保たれています。
👉 靴修理や製造の際、「どんなタックスを使うか」にも職人のこだわりが表れる部分です。
