革を生み出す職人たち ― タンナーとは?
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高級な革靴や、使うほどに味が出るレザーバッグ。
こうした革製品の“素材”として欠かせないのが「革」ですが、その革を生み出す重要な存在が「タンナー(Tanner)」です。
今回は、普段はあまり目にすることのない「タンナー」という職業にスポットを当てて、その役割や魅力を深掘りしていきます。
■ タンナーとは?
タンナーとは、動物の皮を「革」に加工する専門職人や工場のこと。
英語の「Tanner」=なめし職人、つまり「皮をなめす人」を意味します。
動物の皮(Raw hide)は、そのままでは腐りやすく、硬くて製品には使えません。
そこで登場するのがタンナー。
皮を腐らないように安定化し、柔らかく、しなやかで、長持ちする“革”へと生まれ変わらせるプロです。
■ タンナーの仕事とは?
タンナーの仕事は一言で言えば「なめし」です。
しかしその工程はとても奥深く、次のようなステップを経ていきます。
① 原皮の選別・洗浄
世界中から集まる原皮(げんぴ)を選別し、毛や汚れを落とします。
② 脱毛・石灰漬け
皮の毛やタンパク質を取り除き、柔らかくするための処理を行います。
③ なめし
植物由来のタンニンや、クロムなどの薬品を使って、皮を腐らない“革”に変化させます。
④ 加脂(オイル加工)・乾燥
革に油分を加えて柔軟性を出し、乾燥させます。
⑤ 染色・仕上げ
色を加えたり、表面を仕上げたりして、製品用の革として完成させます。
■ タンナーの種類
タンナーには規模や特徴の違いがあります。
- 大規模タンナー:世界中に革を供給する大手企業。均一な品質と大量生産が可能。
- 小規模タンナー・クラフトタンナー:手間を惜しまず、独特の風合いや経年変化を大切にする職人肌のタンナー。日本国内にも多数存在します。
■ 有名なタンナー(国内外)
【日本】
- 栃木レザー(栃木県)…タンニンなめし専門。世界的にも高評価。
- 昭南皮革(兵庫県)…重厚でタフなヌメ革に定評あり。
- 姫路のタンナー群…姫路市は古くから日本有数の皮革産地。
【海外】
- Horween(ホーウィン / アメリカ)…コードバンやクロムエクセルで有名。
- Weinheimer(ワインハイマー / ドイツ)…カーフレザーの名門。
- Conceria Walpier(ワルピエール / イタリア)…ブッテーロやミネルバボックスで有名。
■ タンナーの魅力とは?
- 「革づくりの根幹」を担う、伝統と技術の職人仕事
- 天然素材を扱い、革ごとの個性を引き出す芸術的な工程
- 時間と手間をかけた分だけ、革に深みと美しさが宿る
タンナーがどのような思いで革を作っているかを知ると、革製品への愛着が一層深まります。
■ まとめ
- タンナーは、皮をなめして“革”にする職人や工場のこと
- 目立たないけれど、革製品の品質を左右する重要な存在
- タンナーごとの技術・哲学が、革の個性を決める
もし革製品を選ぶときに「この革はどこのタンナー製かな?」と意識してみると、より深く、より楽しく選ぶことができるようになりますよ。
