【靴の中を支える隠れた存在】中物(フィラー)とは?

革靴やワークブーツの中には、普段は見えないけれど履き心地や耐久性に大きく関わるパーツがあります。
そのひとつが**中物(フィラー)**です。
中物は靴の内部、特に中底と本底(アウトソール)の間に入れられる詰め物のことで、歩行時のクッション性やフィット感を大きく左右します。
中物(フィラー)の役割
- 空間を埋める
グッドイヤーウェルト製法やハンドソーンウェルト製法などでは、中底とアウトソールの間に「くぼみ(ウェルト溝)」ができます。
この空間を埋めて平らにし、足裏に段差や違和感が伝わらないようにします。 - クッション性の確保
中物の素材によって、足裏への衝撃吸収や履き心地が変わります。 - 断熱効果
外底からの冷気や熱を和らげ、年間を通して快適さを保ちます。 - フィット感の向上
履き込むうちに中物が足型になじみ、自分だけのフィット感が生まれます。
中物に使われる素材
- コルク
高級革靴やワークブーツに多く採用。軽量でクッション性があり、履くほどに足型に沈み込みます。 - フェルト
柔らかく軽量で断熱性が高い。冬靴やカジュアル靴にも使用。 - EVAフォーム(発泡樹脂)
軽量で衝撃吸収性に優れ、スニーカーやカジュアルシューズに多い。 - レザー屑や布地
コストを抑えた靴に用いられることもあります。

●コルクシート

●スポンジシート
中物の劣化と交換
中物は普段見えない場所にありますが、長年履くとつぶれ・硬化・粉化などの劣化が進みます。
特にコルクは経年で割れたり粉状になったりすることがあります。
オールソール交換の際には、中物も一緒に入れ替えることで靴のクッション性と履き心地が大きく回復します。

長期間にわたり履きこんだスポンジフィラー。

横からみると負荷がかかった部分が凹凸に波打っている

ソール交換の際にコルクフィラーに交換し、整形する。

凹凸がなくなり綺麗にソールのラインが出る。フィラーの交換は靴の審美性にも大きく寄与する。
まとめ
中物(フィラー)は、靴の外見には現れない「縁の下の力持ち」です。
クッション性、断熱性、フィット感を高め、靴を快適に履き続けるために欠かせない存在。
もし長年履いて靴底の修理を検討しているなら、中物の交換も合わせて行うことで、まるで新品のような履き心地が戻ってきます。
