【靴のトラブル解説】ソールの加水分解とは?症状・原因・防止法を詳しく解説
こんにちは。今日は靴好きの皆さまにも意外と知られていない靴の劣化現象、**「加水分解(かすいぶんかい)」**について詳しくご紹介します。
「数年ぶりに靴箱から取り出した靴のソールがベタベタしている…」
「ソールが突然ボロッと崩れた…」
そんな経験、ありませんか?
それ、ソールの“加水分解”が原因かもしれません。
■ 加水分解とは?
加水分解とは、水分(湿気)によって化学構造が分解される現象のこと。
靴においては、主にポリウレタン(PU)素材のソールやミッドソールで起こります。
この現象が進むと、
- ソールがベタつく
- ソールが割れる・崩れる
- 歩くとパキパキ音がする
- 底が剥がれる・粉々になる
といった症状が現れます。
■ 加水分解が起こる原因
加水分解は、**「湿気」×「時間」**の組み合わせによって進行します。
主な原因は以下のとおり:
- 靴箱やクローゼット内の湿度が高い環境
- 長期間履かずに空気に触れないまま保管
- PUソールなど、加水分解しやすい素材の使用
- 製造から数年経過した靴(5年前後が目安)
特に、スニーカーや一部のビジネスシューズ、登山靴などに多い現象です。
■ 加水分解したソールの見た目と状態

※画像は実際の加水分解で崩壊したソールの一例です。
- ソールがボロボロに砕けている
- 接着面がペリッと剥がれている
- 表面が白く粉を吹いている
- 見た目は綺麗でも、押すと弾力がない・亀裂が入る
■ 加水分解を防ぐ方法
加水分解は完全に防ぐことはできませんが、進行を遅らせる工夫は可能です。
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 定期的に履く | 湿気のこもりを防ぎ、素材の劣化を遅らせます。月1でもOK! |
| 除湿された場所に保管 | 靴箱やクローゼットに除湿剤やシリカゲルを置くのがおすすめ。 |
| 風通しのよい場所で休ませる | 特に雨の日の後はしっかり乾燥を。 |
| 高温多湿を避ける | 夏場の押入れ・車内保管などは避けましょう。 |
| 購入時期に注意 | 未使用でも、**製造からの年数が経つと劣化します。アウトレット品も要確認。 |
■ 加水分解した靴の修理はできる?
オールソール交換で修理は可能ですが、ポリウレタンからラバー系素材に変わるので、見た目や履き心地が変わります。

※極力近いソールで交換・修理したブランドストーンのブーツ
■ おわりに|“履かずにダメになる靴”にご注意を
「大事にしまっていたのに…」という声が多い加水分解。
実は、“履かないこと”が最大の劣化原因になる場合もあります。
お気に入りの靴を長く履くためには、定期的な使用と保管環境がとても大切です。
「この靴、加水分解かも…?」と思ったら、ぜひ一度ご相談ください。
ソール交換やカスタム修理など、お客様に最適な方法をご提案させていただきます。
