靴づくりの“縁の下の力持ち” ― ウェルトとは?その役割と魅力を解説!

ウェルトとは何か?

甲革と靴底の間に用いられる細い帯状の革パーツをウェルトと言います。グッドイヤー製法に不可欠のものです。細革とも言います。
「ウェルト(Welt)」とは、革靴のアッパー(甲革)とソール(靴底)をつなぐ革帯のこと。
普段あまり目立たない存在ですが、靴の構造を支える重要なパーツであり、靴の耐久性や修理のしやすさ、見た目の印象にも大きく関わっています。
●主にグッドイヤーウェルト製法やハンドソーンウェルト製法に見られる、甲革と靴底を繋ぐパーツ。甲革・内張・中底と縫い合わせて固定されている。
●マッケイ式やセメント式にもウェルトと呼ばれるパーツはあるが、靴底と甲革のすき間を埋める役割であり、縫い合わせて接合するものではない
ウェルトの役割
✅ 1. 靴の構造を安定させる
ウェルトは、靴のアッパーとインソールを縫い付け、その上からアウトソール(靴底)をさらに縫い付ける役割を果たします。
この構造によって、靴にしっかりとした強度と形状の安定性が生まれます。
✅ 2. ソールの交換を可能にする
グッドイヤーウェルト製法などでは、ウェルトがあることでアウトソールのみを交換できるようになります。
これにより、靴を10年、20年と長く履き続けることが可能になります。
✅ 3. デザインのアクセントにも
ウェルトの幅や色、縫い目(ステッチ)の有無によって、靴の見た目にも個性が生まれます。
ドレッシーな印象にしたり、カジュアル感を出したりと、見た目の演出にも一役買っています。
製法によって異なるウェルトの存在感
● グッドイヤーウェルト製法
- 最も代表的な製法で、ウェルトを使って靴底を縫い合わせる構造。
- 重厚感があり、修理しやすく長持ちする。
- ウェルトが見えるので、クラシックで重厚な見た目に。
● マッケイ製法
- ウェルトを使わず、アッパーとソールを直接縫い付ける製法。
- 軽量でシャープな印象の靴が多い。
- スマートな仕上がり。
● ノルヴェジェーゼ製法
- ウェルトに加え、さらに外側にもステッチが見える特徴的な製法。
- 非常に頑丈で防水性も高く、存在感のあるデザインが魅力。
ウェルトの種類にも注目!
グッドイヤー・ハンドソーン用ウェルト
●フラット

革でできた平たいウェルトです。これを着色・加工して使います。
●ストーム

革でできたストームウェルトです。ストームはウェルト内側に丸い隆起のある形状です。隆起がある分、ソールの出幅があります。
●スリット

革でできたスリットウェルトです。スリットは切り込みが入っており、その切り込が甲革を被う様に立ち上がった形状をしています。ストームと同様にソールの出幅があります。
マッケイ・セメント用ウェルト
●革製フラット

革でできた平たいウェルトです。着色して使用します。3mm・5mm・7mmと幅にラインナップがあります。
●革製ストーム

革でできたストームウェルトです。ブーツなどソールのボリュームがある靴と相性がいいです。
●ゴム製

ゴム製ウェルトです。形状や幅など様々なものがあります。
まとめ:見えにくいけど、重要な存在
「ウェルト」は、靴の構造・耐久性・デザイン性に深く関わる靴づくりの縁の下の力持ち。
普段は注目されにくい部分かもしれませんが、こだわりのある靴ほど、ウェルトの仕上げに差が出ます。
靴選びの際に「ウェルトの有無」や「製法の違い」に注目してみると、より深く靴の魅力を味わえるはずです。
※当店では、グッドイヤー製法のウェルト靴のソール交換、ウェルト修理、ステッチ補修なども承っております。靴の寿命を延ばすご相談、いつでもお気軽にどうぞ!
