【セメント製法】の革靴修理●割れたウェルトを本革に交換して再生●これからの10年を支えるお修理●

ユーザー様
ユーザー様

CRADLEさん、こんにちは。この靴なんですが、ソール付近が割れてきました。修理は可能でしょうか?

CRADLE
CRADLE

ユーザー様こんにちは。割れている部分はウェルトと呼ばれるパーツです。ウェルトのみを交換することはできず、オールソール交換の際に一緒に交換することになります。ご予算はいかがでしょうか?

「ウェルトが割れてしまった」とご相談をいただいたこちらの一足。
ウェルトだけを交換することができないため、今回はオールソール交換での対応となりました。


■ Before:割れたウェルト(ボード材)

もともとのウェルトには、ボード材(疑革)が使われていました。
ボード材とは、革の粉末をボンドで固めた素材。製造コストを抑えられる一方で、歩行による屈曲に弱く、長く履いていると割れや剥離が起きやすい
という特徴があります。

製造時は大量生産の都合上、素材コストを抑えることも重要です。
しかし、「お気に入りの一足をこれからも履きたい」という修理のご依頼では、同じ発想は通用しません。


■ After:本革ウェルト × レザーソール×Vibramハーフソールで再生

修理では、本革ウェルトに変更し、ソールはVibram製ハーフラバー仕様に。
本革ウェルトは、革の繊維が縦横無尽に絡み合っており、屈曲やねじれに非常に強いのが特徴です。
見た目の上質さはもちろん、履き心地も自然で、長期間の使用にも耐えます。

革製マッケイ・セメント式ウェルト

今回のように「本来交換できない箇所」をオールソールで組み替えることで、
見た目だけでなく構造的にも新たな寿命を吹き込むことができます。


■ 修理を通じて伝えたいこと

製造時は「コストを抑えて良品を安定供給する」ことが使命ですが、
修理の現場では「一足を長く大切に履く」ための素材選びと仕立てが最優先になります。

CRADLEでは、靴の状態・構造・素材を見極めたうえで、
“これからの10年を支える修理” をご提案しています。


📸 革の経年変化が美しく際立つ仕上がり。
履き慣れたアッパーに新しい命を吹き込む修理は、まさに靴との第二章の始まりです。

価格と納期

●レザーオールソール交換:15400円
●マッケイ・セメント式ウェルト交換:2200円
●ハーフラバー補強:2970円
納期:約3週間